ACアダプターは、条件が合えば代用できます。ただし「プラグが刺さるから大丈夫」ではなく、次の5つがすべて機器の指定に合っている必要があります。
- AC出力かDC出力か
- 電圧(V)
- 電流(A・mA)
- 極性(センタープラス・センターマイナス)
- プラグサイズ
私もギターのエフェクターでアダプターをなくしたり、中古で買った機材にアダプターが付いていなかったりして、代わりを探したことが何度かあります。この記事では、手元のACアダプターが代用できるかを自分で判断できるように、ラベルの見方と選び方を実物の写真を使って解説します。
- ACアダプターをなくしてしまった方
- 手元にある別のACアダプターが使えるか知りたい方
- 電圧や電流(A・mA)が違うアダプターを使っていいか迷っている方
- センタープラス・センターマイナスの意味を知りたい方
ACアダプターは代用できる?
AC/DC・電圧・電流・極性・プラグの5つが機器の指定に合っていれば、純正以外のACアダプターでも代用できます。1つでも合わないものがあれば使わないでください。
| 確認項目 | 代用するための基本条件 |
|---|---|
| AC / DC | 指定に合わせる |
| 電圧(V) | 原則として同じ |
| 電流(A・mA) | 機器が必要とする電流以上 |
| 極性 | 同じ |
| プラグ | 対応するサイズ・形状 |
なお、説明書などで純正品やメーカー指定のアダプターの使用を求めている機器は、その指示を優先してください。仕様がわからない場合も、無理に代用せず純正品を用意するのが安全です。
ラベルの「入力」と「出力」を確認する
ACアダプターのラベルには、入力(INPUT)と出力(OUTPUT)が書かれています。下の写真はZOOMのエフェクターに付属していた純正アダプター(AD-0006A)で、「入力:AC100V 50/60Hz 6VA」「出力:DC9V 300mA」と書かれています。

入力はコンセント側の条件です。日本のコンセントは交流(AC)100Vなので、「AC100V」や「AC100-240V」と書かれていれば国内で使えます。「AC100-240V」なら海外のコンセントにも対応しています。「50/60Hz」は東日本(50Hz)と西日本(60Hz)のどちらでも使えるという意味で、国内向けの製品ならほぼ両対応です。
代用できるかを判断するときに見るのは、出力のほうです。出力の電圧・電流・AC/DCを、機器本体や説明書に書かれている電源の仕様と見比べます。
詳しい解説(読み飛ばしてOK)
入力欄の「6VA」や「20VA」は皮相電力で、単位はボルトアンペアです。「電圧×電流」で求められ、100Vで20VAなら最大0.2Aほど流れるという目安になります。実際に機器で使われる電力(W)とは少し意味が違いますが、代用品を選ぶときは気にしなくて大丈夫です。
電圧が違うACアダプターは使える?
電圧(V)は、機器の指定と同じ値のものを使うのが原則です。高すぎると故障や発熱の原因になり、低すぎると動かなかったり動作が不安定になったりします。
たとえば9Vの機器なら、次のようになります。
| 機器の指定 | ACアダプターの出力 | 使える? |
|---|---|---|
| 9V | 9V | ○ |
| 9V | 12V | 原則NG(故障のおそれ) |
| 9V | 6V | 原則NG(動かない・不安定) |
機器本体の電源端子の近くには、下の写真のように電圧が書かれていることが多いです。

「9〜12V対応」のように、説明書で電圧に幅を持たせている機器もあります。その場合はその範囲内であれば使えますが、表記がない限りは同じ電圧のものを選んでください。
電流が違うACアダプターは使える?
電流(A・mA)は、機器が必要とする電流以上の容量があれば使えます。電圧と違って、ACアダプター側の数字が大きいぶんには問題ありません。足りない場合はNGです。
たとえば機器の表示が「9V / 500mA」なら、次のようになります(電圧・極性・プラグなど、ほかの条件はすべて合っている前提です)。
| ACアダプターの出力 | 使える? |
|---|---|
| 9V / 500mA | ○ |
| 9V / 1A(1000mA) | 基本的に○ |
| 9V / 2A(2000mA) | 基本的に○ |
| 9V / 300mA | NG(容量不足) |

「1Aのアダプターだと、1Aの電気が流れ込んで壊れるのでは?」と心配になるかもしれませんが、そうではありません。ACアダプターに書かれている電流は「最大でこれだけ流せる」という容量で、実際に流れる電流は機器が必要な分だけです。水道の蛇口にたとえると、太い水道管につないでも、蛇口(機器)を開けた分しか水は出ない、というイメージです。
逆に容量が足りないアダプターを使うと、機器が正常に動かなかったり、アダプターが過熱したりします。
なお、mAとAは「1000mA=1A」です。「500mA」と「0.5A」は同じ意味なので、単位をそろえて比べてください。
センタープラス・センターマイナスとは?
センタープラス・センターマイナスは、プラグの中心(内側)がプラスかマイナスかを表す「極性」のことです。機器とACアダプターの極性は、必ず同じでなければいけません。
丸いプラグの場合、内側の穴の部分と外側の筒の部分で、プラスとマイナスが分かれています。
- センタープラス:中心(内側)が+、外側が-
- センターマイナス:中心(内側)が-、外側が+
どちらなのかは、機器本体やアダプターに書かれている極性記号で確認できます。


極性記号の見方
極性記号は、「+」と「-」の間に、アルファベットのCのような半円と、その中に点(●)がある形をしています。
見るポイントは真ん中の点(●)がどちらの記号とつながっているかです。点が「-」とつながっていればセンターマイナス、「+」とつながっていればセンタープラスです。
ギターのエフェクターは、センターマイナスのものが多いです。一方、エフェクター以外の電子機器はセンタープラスのものが多いので、同じ9Vでも使い回せないことがあります。
ACアダプターのプラグサイズ
プラグは、外径と内径の両方が機器のジャックに合っている必要があります。丸いプラグのサイズは「外径5.5mm/内径2.1mm」のように、2つの数字で表されます。
- 外径:プラグの外側の太さ
- 内径:プラグの先の穴の太さ(機器側の中心ピンが入る部分)
よく見かけるのは外径5.5mmで内径2.1mmまたは2.5mmのもので、小型の機器では外径3.5mmや4.0mmなどもあります。ギターエフェクターは5.5mm/2.1mmがよく使われていますが、製品によって違うので、説明書やメーカーのサイトで必ず確認してください。
「刺さるから使える」とは限らない
外径が同じで内径だけ違うプラグは、見た目ではほとんど区別がつきません。内径2.5mmのプラグは2.1mmのジャックにも刺さってしまいますが、中がゆるく接触が不安定になります。また、電圧や極性はプラグの形とは関係ないので、刺さったとしても使えるとは限りません。
プラグの形が丸ではない機器もあります。下の写真は私が持っているVOXのマルチエフェクターのアダプターで、ピンが何本もある特殊な形状です。こういったものは汎用品での代用が難しいので、純正品かメーカー指定品を探すことになります。

プラグのサイズだけを変える変換プラグも販売されていますが、変換しても電圧・電流・極性が合っていなければ使えません。
AC-ACとAC-DCの違い
AC-DCアダプターは直流(DC)を、AC-ACアダプターは交流(AC)を出力します。機器が必要としているのがどちらなのかを確認し、必ず同じ種類を使ってください。
ACアダプターの「AC」は交流(Alternating Current)、「DC」は直流(Direct Current)の略です。コンセントから来る電気は交流100Vですが、多くの電子機器は直流で動くので、ACアダプターで機器に合った電気に変換しています。

たとえば初代ファミコンは「直流(DC)10V」で動くので、AC-DCアダプターでコンセントの電気を変換しています。現在のACアダプターはほとんどがこのAC-DCタイプです。
一方、古い機材などでは、交流のまま電圧だけを下げて出力するAC-ACアダプターが必要なものもあります。下の写真の機器は「~AC9V」と書かれていて、AC-ACアダプターが必要です。「~」の記号は交流を表しています。

「AC9V」の機器に「DC9V」のアダプターを使う(またはその逆)のはNGです。電圧の数字が同じでも、ACとDCは別物と考えてください。
スイッチング式とトランス式の違い
ACアダプターには「スイッチング式」と「トランス式」があり、今主流なのは軽くて小さいスイッチング式です。代用品を選ぶときは、まず電圧・電流・極性などの条件を合わせることが優先です。
- トランス式:中に重いトランス(変圧器)が入っていて、手に持つとずっしり重い。古い機材の付属品に多い
- スイッチング式:軽くて小さく、効率がいい。現在のACアダプターのほとんどがこちら
エフェクターなどの音楽機材では、アダプターによってはノイズが乗ることがあります。そのため以前はトランス式が好まれることもありましたが、今は音楽機材向けの低ノイズなスイッチング式も多く出ています。ノイズが気になる場合は、音楽機材向けとして売られているアダプターを選ぶと安心です。
ACアダプターはどこで買える?
ACアダプターは、家電量販店やネット通販、電子部品のお店で買えます。純正品が欲しい場合は、メーカーのサポート窓口や部品注文で取り寄せられることもあります。
購入前には、次の5つを必ず確認してください。
- 電圧(V)
- 電流(A・mA)
- AC/DC
- 極性(センタープラス・センターマイナス)
- プラグサイズ(外径・内径)
国内で販売されているACアダプターには、電気用品安全法のPSEマークの表示が必要です。通販で安い互換品を買う場合は、PSEマークがあるかも確認しておくと安心です。
共立エレショップ
https://eleshop.jp/shop/c/c111211/
半導体やセンサーなどの電子部品、電子工作キット、パソコン周辺機器まで幅広く扱っている通販サイトです。電圧や極性、プラグサイズごとにACアダプターを探せます。
サウンドハウス
https://www.soundhouse.co.jp/search/index?s_category_cd=370&i_type=c
音楽機材の通販で有名なサウンドハウス。エフェクターなどの音楽機材向けのアダプターを探すときに便利です。
デンシ電気店
https://item.rakuten.co.jp/denshi/c/0000000102/
各種電源や計測器、工具、電子部品などを販売しているお店です。私はこちらでAC-ACアダプターを購入しました。AC-ACアダプターは家電量販店ではあまり見かけないので、こういった専門店が頼りになります。
ACアダプターについてよくある質問
12V 1Aの代わりに12V 2Aは使える?
基本的には使えます。電流は「機器が必要とする電流以上」であれば問題なく、2Aのアダプターでも機器には必要な分しか流れません。AC/DC・極性・プラグが同じであることも確認してください。
9V 500mAの代わりに9V 1Aは使える?
基本的には使えます。1A(1000mA)は500mAより容量が大きいので、条件を満たしています。ギターエフェクターの場合は、センターマイナスかどうかもあわせて確認してください。
電圧が1V程度違うだけなら使える?
おすすめしません。1Vの違いでも、機器によっては故障や誤動作の原因になります。説明書に「9〜12V」のように対応範囲が書かれている場合を除き、同じ電圧のものを使ってください。
センタープラスとセンターマイナスを間違えるとどうなる?
機器が動かないだけでなく、故障するおそれがあります。保護回路で守られる機器もありますが、すべてではありません。プラグを挿す前に、機器とアダプターの極性記号が同じかを必ず確認してください。
プラグが刺されば使える?
刺さるだけでは判断できません。内径が違っても刺さってしまうことがあり、電圧や極性はプラグの形と関係ないためです。プラグサイズに加えて、電圧・電流・AC/DC・極性の5つがすべて合っているかを確認してください。
純正以外のACアダプターでも大丈夫?
仕様がすべて合っていれば使えることが多いです。ただし、メーカーが純正品や指定品の使用を求めている機器ではその指示に従ってください。互換品を選ぶときは、PSEマークのある製品を選ぶと安心です。
電流(A)が大きすぎても大丈夫?
電流の容量が大きいぶんには、基本的に大丈夫です。機器は必要な分の電流しか使わないためです。ただし電圧(V)は大きすぎるとNGなので、AとVを混同しないように注意してください。
- AC出力かDC出力かを機器の指定に合わせる
- 電圧(V)は機器の指定と同じものを使う
- 電流(A・mA)は機器が必要とする電流以上の容量があればOK
- 極性(センタープラス・センターマイナス)を必ずそろえる
- プラグサイズは外径・内径の両方を確認する
- わからないときや、メーカーが指定している場合は純正品を使う